負けるな、三日坊主。

ぼっちオタクの壁打ちブログ

たまたまみたら面白かったタイ映画の話

調べ物しようとしてふと開いたウェブトップページに、こないだみたタイの映画の話題が出てたから思い出し記録です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/753426845b75cb06a5d011019e2524c42d88ab98

 

ちょっと前に何の気なしにみたら大分引き込まれたやつ。(私はdtvの見放題から見たけど、アマプラとか?ネトフリとか?映画なのでいろいろ見れる場所はあるっぽい)

一応予告編をシェア。


映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』予告篇

 

 

 

いわゆるクライムサスペンス?というやつなんでしょうか。映画のジャンルってわかんないんだけど。はらはらどきどきは楽しいけど、鑑賞後感は人によって分かれそうなので、超ハッピーエンド至上主義とか、スッキリ勧善懲悪好きとかだとちょっと構えてみた方がいいのかも。

見た直後は、色々ぐるぐるして私の癖である妄想と考察が止まらなかったんでちらっとここで殴り書きメモしてたけど、思い出したらまたぐるぐるしてきたからもう吐き出しておく( ・_・)

 

※以下、レビューってほどのレビューじゃないしネタバレ全開なのでこれから見る方は注意。念のため。

誰かがツイッターで言っていた言葉を借りると、カンニング大作戦って話なんですが、まぁこれが壮大な話になっちゃう。

数学の天才学生リンが、最初は友人グレース一人を助けるためだけにやったはずだった不正行為の補助、そのグレースの彼氏から、その友達へ、またその周辺へ、あれよあれよという間にでかめのビジネスになっていって、最終的には国際的なテストにまで手を出す話で、その過程にドキドキハラハラなわけなんですけど。

 

すべての元凶はグレースの彼氏、パッドなんだよなぁ。(個人の感想)

まず最初に、リンがカンニング”させてしまった”動機として、グレースをただただ助けたかったわけなんだよね。で、グレースはグレースで、いくら演劇に出るために合格が必須だったとはいえ、カンニングまでするつもりはなかった…。うっかり優しさでリンが助けてしまったことで、それを聞いて「ビジネス」にすることを思いついてしまったのがパッド。ここだよ。

グレースは単純に、リンと友達になれて楽しかったと思う。自分が頭悪いことは自覚してても、リンのこと僻んだりねたんだりするわけでもなく、利用したりするつもりも本当はなかったはずだし。2人の出会い頭から、グレースの素直な優しさは表れてたんだよ…その素直さが仇なんだけど。(カンニングのことをパットに話したことがリンにバレた瞬間のリアクションにその素直さが表れてる気がする)

パットはパットで、リンの「才能」を見いだしてかつそれをビジネスに出来てしまう能力があったのがよくない。いくら天才リン様がいたとしても、集客と管理についてはパットがやらなきゃうまくはいかなかったんだと思う(そもそもビジネスにしようと思わなかっただろうし)。そういう意味で才能はあったんだろうね…もっと真っ当に使ってよ…。

そいで最後にして最大の被害者(と私は言いたい)バンク。最終局面、巻き込んだ自覚があって罪悪感しか感じてないリンに対して、悪い方に吹っ切れてしまったバンクが、悲しい。悲しすぎた。けど、お金が入ったからこそ、お店は立て直せて、「経歴」に傷はついたけど、マジメにやるよりバックがでかい。頭がいいからこそ、効率のよさに気づいてしまったらもう戻れないんだろうなと思ったり。

退学届にサインしてるお母さんの姿とても苦しいけど、そもそもはそこを助けるためだったわけで。

リンのところもしかり。

お父さんは我が子を一生懸命特待生推しして、賄賂もはらって入学させて、シャツもプレゼントされてうきうきで。そのお金がどこから来てるかを知った瞬間の、シャツを脱ぎ捨てるシーンが思い出しても苦しい。

天才2人はただ家族を助けたかっただけなんだよなぁ。(途中多少違う目的にはなってただろうけど)

お父さんといえば、リンがシドニーから帰ってきた時の、「彼氏はどこだ」でもう涙腺だめでした。優しすぎるお父様だよ…。

 

色々考えて、結局パットだわ。

ただこのエンディング後の、それぞれの人生について考えると、たとえリンの決断がどうだったにせよ、登場人物たちのその後の人生なかなか歪んでしまうのではと思ったり。*1*2

だからこそ最後は、よかったとは思ったけど。

 

個人的にはずっと思いを馳せてるのはリンとグレースの関係性なんですよ…友情ってなかなか複雑だと思っていて。一緒にいて楽しかったのは事実だけど、二人の間にはきっとお互いの優越感と劣等感が多少まざっていたはず。グレースは先に書いたように「友達でいられて嬉しい」が気持ちの大半を占めていると思うけど、少なくともリンは、グレースの演劇部で花形ができる可愛らしさとか、あとは単純にお金持ちとか、普段は気にしないと思っててもどっかで絶対引っかかってる。逆に勉強の良し悪しについてははっきりしてるから優越感があったはず。最後空港で決別したあの瞬間「私がいないとなにも出来ないでしょ」とでもいわんばかりのリンが、それを物語ってる。

完全に拒絶されたグレースは、あの後、リンと楽しく過ごした日に戻れないのか考えたかなぁと思うと、切なくなってしまう。大学一緒に通えるかもってなったときのグレースの喜びようは、真だったよ…やっぱその友情崩壊も、、、パットのせいなんだよなぁ。

 

 

とか考えてるところで、なぜ私はフィクションの登場人物にこんなにも思いを馳せているんだろうと我に帰りました。

でも個人的にはそれくらい、人物描写はリアルだった。

全体的に、色々ツッコミどころはあるけど。

あ、映画の構成としては、前半の、「現在の取り調べっぽい描写」と「人物が語ることとリンクする過去出来事」の交互の提示が想像を掻き立てられて良かった。(それも途中で予想を覆されたけど)

とにかく、面白い映画でした。

 

今はドラマ版もU-NEXT?でやってるっぽいけどどうなんだろ。宣伝画像見た感じ、ちょーーっとイメージ違うなぁと思っちゃったけど。リンが。タイミング見てそっちも見てみようかな。

 

 

*1:パットとグレースは、リンに釘刺されたように、入学試験をパスするのは難しいだろうし入学しても学内の試験は山ほどあるはず。なんで成績が上がったはずなのに大学ではだめなんだってパットの両親はグレースまで巻きこんで騒ぎそうだし、プレッシャーに圧されてグレースはしんどくなりそう。

*2:バンクは多分一人でも修羅の道を進みそうだし、何だかんだくぐり抜けて行った先で金持ち系裏社会のいざこざ(または逆恨み)で命の危機にさらされそう。